台湾ドキュメンタリー映画『沈睡的水下巨人』台湾の海の美しさと様々な危機!
台湾で初めて沈没船を題材にしたドキュメンタリー映画『沈睡的水下巨人』が、4月25日から台湾で公開されます。
8Kの高画質で撮影された本作は、沈没船の間を泳ぐ魚群の色鮮やかで美しい光景を最高画質で捉え、人間が海洋生態系に与えたダメージを浮き彫りにしています。
台湾は長年かけて貧困から繁栄へと移り変わってきましたが、水面下の世界は逆に繁栄から貧困への変遷を辿っています。
2014年の大ヒットドキュメンタリー映画『天空からの招待状』は、ヘリコプターによる撮影で空から見た台湾の現状と自然破壊への警鐘を伝えましたが、本作は海底からその美しさと様々な危機が描かれます。
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撮影は水深50メートルまで到達し、600回以上の潜水を行いました。
李景白(リー・ジンバイ)監督は、「すべての難破船にはそれぞれの物語があります。歴史的遺産から海洋生態系の繁殖地まで、これは自然の奇跡です。このドキュメンタリーを通して、より多くの人々が台湾の海洋資源に関心を持ち、台湾の海の美しさを守るために自分たちの役割を果たすことを願っています」
そして、海の壮大さと悲哀を表現するだけでなく、素晴らしいサウンドトラックとナレーションもこの映画の見どころです。
映画のサウンドトラックはすべて台湾で制作され、台湾のトップクラスの若手音楽家を集まる灣聲樂團(OneSong Orchestra)による、荘厳な音楽で映像を彩ります。
音楽監督の李哲藝(リー・ジャーイー)は、「映画自体にはセリフがないので、音楽がこの映画で非常に重要な役割を果たしている。観客が台湾の海の現状を理解し、持続可能の重要性を実感してほしい」と語りました。
「海を守ることは極めて重要です。一瞬たりとも止めたり遅らせたりすることはできません。この映画で最も印象に残ったのは、台湾にはこんなにも美しい海洋資源があるのに、人々はそれを見ることができないため、大切にすることを忘れている。海の美しさが私たちの身近にあることを改めて認識してもらうため、監督は海底に眠る"鋼鉄の巨人"をカメラを通して記録した。彼はまた、音楽が聴衆を目には見えないが現実の海へと導き、その美しさを感じ、それを守ることの緊急性を理解できるように願っている」と、続けました。
また、ナレーションは、俳優の陳竹昇(チェン・ジューシェン)が担当し、台湾語の要素を含めこの海の物語を語っています。
この仕事を引き受ける前は、こういった題材の制作は非常に難しいと感じていたそうですが、監督のアイデアと実行力に深く感銘を受け、ためらうことなく引き受けたということです。
彼は以前、ニュースやソーシャルメディアを通じて海洋汚染について知っていましたが、ナレーションをつとめたことで、海洋問題の深刻さをより深く理解したそうです。
「私の声で、観客を新界へと導きたい」と語りました。
『沈睡的水下巨人』
監督:李景白(リー・ジンバイ)
音楽:李哲藝(リー・ジャーイー)
ナレーション:陳竹昇(チェン・ジューシェン)
台湾で4月25日から公開
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