中国映画『舟に乗って逝く』6月13日(金)より公開!
映画の舞台は、“中国のベネチア”と言われる江南地域、浙江省湖州市にある徳清(ドーチン)。
町の中を運河が流れ、かつてはどの家にも舟がありました。しかし、時代の移り変わりとともに、次第に舟は姿を消していきます。
母は、昔、舟で嫁入り。ここは、母がようやく見つけた自分の居場所なのです。
ある日、その母に重い病気が見つかり、治療を巡って、アメリカ人の夫と上海に暮らす長女と旅のガイドをしながら風来坊のように暮らす弟の意見が食い違う……。
母、娘、息子、孫、彼らの周囲の家族たち。誰にも訪れる、葬ること葬られることの物語。
監督の陳小雨(チェン・シャオユー)は、映画の舞台である江南地域の湖州市徳清生まれ。
映画を学ぶためカナダのトロントに留学。帰国後は、映画の中心地である北京でも、コマーシャルなどの映像製作の中心地である上海でもなく、自身の故郷である徳清に、自ら映画製作会社を立ち上げて、この映画を撮影し完成させました。
より若い世代が、それぞれの選んだ場所で映画を作り、その場所から国際的な評価も得る作品を発信するという新しいスタイル。今後の活躍にも期待が膨らむ才能です。
<ストーリー>
江南の水郷、徳清。上海にほど近いが、時間がゆったり流れるこの田舎町で一人暮らしをしていた老婦人ジン。
長男を幼い頃に亡くし、夫に先立たれてからもしばらく経つ。長女のジェンは上海で、アメリカ人の夫と留学支援の塾を経営し、ほんの時々、孫娘を連れて帰郷するが、いつも慌ただしく上海に帰ってしまう。次男のチンは各地を転々とする旅行ガイドで、故郷の家にほとんど寄りつかない。
ある日、ジンに重い病気が見つかる。子供たちは故郷に戻って看病することを余儀なくされる。
長女のジェンは、最先端の医療を探し、なんとか母の命を繋ごうと必死だが、弟のチンは、母がこの世への執着を手放し、無常を受け入れるべきだと考えている。
母の病をめぐって、ジェンやチン、彼らの家族、親族たちが次々訪れ、それは一方で懐かしい日々を思い起こさせるが、一方では現実的な問題をあらわにするのだった。
長女のジェンには、前の夫との間に息子タオがいる。母ジンのお気に入りの孫だ。タオは両親の力を頼らず、俳優としての道を自力で歩もうとしている。タオの生き方は、かつてジンが、人に決められた人生を捨て、自分の選択で夫と連れ添い、この町にきたことを思い出させるのだった。
この世を去るとき、自分の帰る場所はどこなのだろうと考える母ジン。逝く母を思いながら、自分たちはどこへ行くのかを考えるジェン、そしてチン。果たして、母の向かう先は、そして家族の向かう先は……
『舟に乗って逝く』
原題:乘船而去|英語題:Gone with the Boat|99分|2023
監督・脚本・編集:チェン・シャオユー(陳小雨)
出演:ゴー・ジャオメイ(葛兆美)、リウ・ダン(劉丹)、ウー・ジョウカイ(呉洲凱)
製作:ホアン・ファン(黄帆)
撮影:ホアン・イーチュアン(黄一川)
美術:ドン・シャオジェン(鄧暁珍)
音響:チャン・イン(張印)
作曲:ユーション(愚生)
配給:ムヴィオラ、面白映画
©2023 Fractal Star Film Production Co., Ltd., Infinina Media Co., Ltd.
公式サイト:https://fune.moviola.jp/
公式X(Twitter):ID @ fune_eiga リンク:https://x.com/fune_eiga
6月13日(金)よりグランドシネマサンシャイン 池袋、アップリンク吉祥寺、キネカ大森他全国順次公開
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