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2025/11/25

2025金馬奨授賞式と受賞者たち

1125opening 第62回金馬獎の発表授賞式が、11月22日に台北の台北流行音楽中心で行われました。
今年は司会者を置かずに、恒例のオープニングshortfilmから頑童MJ116の歌とダンサー達のミュージカルのようなシーンの流れがとても素敵で、主席の李屏賓(リー・ビンビン)の開幕宣言という素晴らしい構成で始まりました。
そして、最初のプレゼンターが昨年の司会者劉劉冠廷(リウ・グァンティン)と、2021年に司会を務めた林柏宏(リン・ボーホン)というニクい演出、軽妙なやりとりで見事な進行でしたね。
司会者はなく影アナによるプレゼンターの紹介だけなので、とてもスピーディ。これは良い試みだと思います。

※画像はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します

1125grandprix 最優秀作品賞は陳玉勳(チェン・ユーシュン)監督の『大濛』、審査では『左撇子女孩(左利きの少女)』と『眾生相』の三つ巴になり、最後は『眾生相』と一票差で栄冠を勝ち取りました。
この賞はプロデューサーがトロフィーを受け取りスピーチするので、葉如芬(イエ・ルーフェン)が「監督、素晴らしい感動的な脚本を書いてくださり、ありがとうございます。このような物語を制作できることを大変光栄に思います。特にこの困難な状況下では、資金調達は容易ではありません。出資者の皆様からは、1950年代を舞台にした映画を作るなんて狂気の沙汰だと言われました。しかし、どんな時代でも、どんなに困難な状況でも、人々は優しい心を伝えることができるのです」と語りました。
もう一人のプロデューサー李烈(リー・リエ)がトロフィーを持たせようとすると、「私はいつももらっているからいい」と言って場内大爆笑。壇上に並ぶ監督や出演者が回し持つという一幕がありました。

1125director 同様に接戦だった監督賞は、香港の李駿碩(ジュン・リー)が『眾生相』で受賞。『地母(母なる大地)』の張吉安(チャン・ジーアン)、『大濛』の陳玉勳と競り合い、最後に張吉安を退けて獲得しました。
演出は極めて簡素でありながら、社会の現実の複雑さを反映している、というのが授賞理由。
本作は『翠絲(トレイシー)』(2018)『濁水漂流(香港の流れ者たち)』(2021)に続く3作目ですが、才能ある新鋭として注目されていました。この映画はまさに李駿碩自身の日常の生き方であり、出会った人々や交わした言葉が心に刻まれていると語りました。多くの刺激と学びを与えてくれた見知らぬ人々に感謝し、両親を含む多くの人々が「めちゃくちゃな生き方」と評するこの生活を撮影できたと述べていました。

1125actor 張震(チャン・チェン)の主演男優賞も、『大濛』の柯煒林(ウィル・オー)と一票差。
ごく短いストーリーの中で、わずかな台詞と多くのほぼ一人芝居を通じて、誇張されやすいにもかかわらず、それを避けつつ見せた味わい深い演技が評価されました。
何も用意してこなかったという張震、「父の張国柱(チャン・グオチュウ)に感謝します。俳優の父は13歳の頃から私を映画の世界に導いてくれた。でも、七光りではなく私は本当に努力しています。デビューから今まで、ずっと映画を信じ、愛し続けています」とスピーチ。

1002mother 今年は本当に僅差での決定が多く、主演女優賞も『地母(母なる大地)』の范冰冰(ファン・ビンビン)が『我家的事(我が家のこと)』の高伊玲(ガオ・イーリン)を一票差で下しました。
身体表現から言葉遣いまで、極度の落ち着きから崩壊まで、すべてが新鮮な驚きを与えてくれたという審査員評でした。
范冰冰は来られずに張吉安監督が代理でトロフィーを受け取りましたが、すぐに本人と電話で繋ぎ、「まず金馬奨にお礼申し上げます。この栄誉を賜り、心から深く感謝しております。監督には揺るぎない信頼を寄せていただき、本当に感謝しています。あの時、私は最後までやり遂げます!と宣言しました。これは単なる役への誓いではなく、迷いなく信じるという決意の表れでもありました」と、スマホ越しの受賞の喜びを聞かせてくれました。

1125actor2 助演男優賞は、『我家的事(我が家のこと)』の曾敬驊(ツェン・ジンホア)が大半の票を集めて、すんなりと決まったそうです。口調や感情のコントロールにおいて非常に高い評価を得、彼の描いたキャラクターの成長曲線は、特に父親との対峙シーンで著しい進歩を見せたとというのが、受賞理由。
発表の瞬間から号泣の曾敬驊は、嗚咽を堪えながら「両親とスタッフの皆様に感謝するとともに、恩師である李烈プロデューサーに感謝します。私を見つけてくれてありがとうございます。内向的な私は俳優になってからそれを打ち破ろうと試みて来ましたが、この作品の共演者やスタッフとの間に信頼関係を築くことができました。そして優れた作品に参加する機会も積み重ねてきたことで、私は成長しました」とスピーチしました。

1125actress2 助演女優賞を獲得したのは、『人生海海(人生は海のように)』の陳雪甄(ベラ・チェン)。
マレー語のアクセントの転換、身体表現の細部から感情の掌握まで圧倒的な評価を得て、15票満票という記録は非常に稀な勝利。
陳雪甄は、涙ながらに「女優として歩んできた17年、ついにこの時を迎えました。廖克発(リャオ・カーファ)監督の信頼に感謝します。いつも先頭に立って、映画と物語の力を信じさせてくれてありがとう」と述べ、「スタッフの皆さんの才能が結集してこの映画が生まれ、私が認められたのです」と加えました。

0012newcomer 新人賞は、今年の特徴である一票差で『左撇子女孩(左利きの少女)』の馬士媛(マー・シーユアン)が受賞。
最終決戦の相手は、『恨女的逆襲』の林怡婷(リン・イーティン)、『眾生相』の張迪文(ジェイダン・チャン)でした。
「皆さんのおかげで、私は勇気を出してこの役をやり遂げることができました。皆さんが私に影響を与えてくれたおかげで、自分が最もやりたいことを見つけ、今日この舞台に立つことができたのです。重要なのは私たちが誰であるかではなく、伝えたい物語と誠実な心です。この言葉が皆さんにも少しの力となれば幸いです」と最近深く心に響いた言葉を加えるスピーチでした。

1125newdirector 新人監督賞は、『幸福之路(ラッキー・ルー)』のロイド・リー・チョイが受賞。『左撇子女孩(左利きの少女)』の鄒時擎鄒時擎(ツォウ・シーチン)、『核』の陳思攸(タン・シーヨウ)の3候補で長く議論され、投票は常に過半数に達しなかったそうです。最終的にLloyd Lee CHOIと鄒時擎の争いとなり、前者がこちらも一票差で獲得しました。
「キャストと製作スタッフに感謝し、カナダで奮闘する両親に敬意を表します。この作品は移民問題をテーマにしていて、同時に私たちの家族の経験でもあるのです。観客に移民家族が直面する課題と希望を理解してもらいたい」と語りました。
この映画はフィルメックスで上映され、日本での一般公開も決まっています。

今年の審査員は、廖慶松(リャオ・チンソン)委員長はじめ監督の林書宇(トム・リン)、李念修(リー・ニエンショウ)、黃信堯(ホアン・シンヤオ)、プロデューサーの唐在揚(タン・ザイヤン)、俳優の林嘉欣(カリーナ・ラム)など15名でした。

プレゼンターの写真をどうぞ。

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ノミネート&受賞一覧はこちらをご参照下さい。
http://www.asianparadise.net/2025/11/post-2112db.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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