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2026/01/05

台湾映画『サリー』林柏宏(リン・ボーホン)インタビュー

0105lin 1月16日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開する台湾映画『サリー』に出演している林柏宏(リン・ボーホン)に、オンラインでインタビューしました。
昨年は台湾映画の興行収入1位を記録した話題作『96分(原題:96分鐘)』に主演するなど、大活躍の林柏宏。
本作では、出会い系アプリで知り合った男に会いに行くという主人公の姉をロマンス詐欺ではないかと心配する弟を演じています。

※画像はクリックすると別ウィンドウで拡大表示します

今回はどんな部分に惹かれてオファー を受けたのですか?
「理由は色々ありますが、自分が今までやったことがないような事が体験できるんじゃないかと思ったのが一番大きいです。この物語がとてもリアルですし、人々の暮らしに密着していて、ちょっと面白い感じもあり、なんといっても生活感がすごく溢れています。この登場人物たちは、台湾の農村部で生活しているいて、まるで僕が幼い頃に出会ったような人たちなのです。そして、僕がそういう農村にいる一人の青年を演じることで、今までに見たことがない僕を観ていただけるんじゃないかと思いました」

これまで様々な役をこなしているので、若き演技派としておそらく苦労などあまりなかったと思いますが、今回の役でチャレンジングだったことがありましたか?
「チャレンジングな部分は色々ありましたよ。その中で割と大きかったのが、全編台湾語ということです。これは今までやったことがありません。監督とカメラマンと色々話し合って演じましたが、特に今回のカメラマンは特殊な撮り方をする方で、カメラの存在を感じさせないような撮影方法なのです。
ですから、普通の撮影のように立ち位置とかはっきりさせないで、その人物が移動するときもカメラが寄って行って撮るという撮影方法。そうすることによって生活感満載で、よりリアルな映像が撮れる。その為に僕たち役者はとにかく生活感を出してなきゃいけないし、台湾語のセリフをちゃんとその場で言えていなければならない。そこが今回の大きなチャレンだったと思います。
特に、最後の結婚式の時に姉に対する感謝の言葉を述べるところは僕に任されたのですが、あそこはしんみりするような感じは避け、弟としての可愛らしさや、ちょっとコメディっぽい感じでいこうと組み立てました。僕にとっては大きなチャレンジだったと思いますが、自分でもとても気に入ってるシーンです」

監督からは、今おっしゃったような、演じるというよりは、もうそこに生きてほしいみたいなことが一番の大きなリクエストだったんですか?
0105salii 「そうですね、監督はそのように考えていらっしゃったと思います。ですので、撮影に入る前に、劉品言(エスター・リウ)と、そして僕の姪役の湯詠絮(タン・ヨンシュイ)と3人で、早めに農村に入って一緒に暮らしたんです。特に養鶏の部分で色々と勉強することがあったので、慣れなきゃいけないし、例えばどういう風に鶏を捕まえるか、鶏舎をどういう風に掃除するのか、卵はどのように集めるのか、そういうことを自然にできるように。そして、この3人の人とどういうふうにコミュニケーションをとっていくか、そこで掴んだ感情をいかに演技につなげるかということ。さらに、脚本以外のものを出せるようにするのが、監督の目的だったと思います。だから早めにこの村に入って、生活しながら感じていく、これが監督の思いだったと思うので、こういう機会をくれたことを監督にとても感謝しています」

そして今回はたくさんの共演者と可愛い動物たちも出てきますよね、撮影の時に何か忘れられないエピソードとかありましたか?
「僕の姪の役を演じた湯詠絮は、映画に出るのは初めてで、とても緊張していました。僕の方が20ぐらい年上だし、彼女にとって僕はテレビで見た人、映画の人っていうイメージですよね。だからそういう人たちと一緒に自分が演技をすることは信じられないような感じがするわけでしょ。ですが、やはりこの現場での同じ立場の役者として、彼女に向き合っていたわけで、まるで自分の妹のように彼女のことを色々と面倒をみました。例えばお弁当を一緒に食べる時とか、おやつを食べる時とかも、いろいろ話しかけたりしていました。初めて演技をする人の反応っていうのはすごく面白いです。だから1度監督と僕が話し合って、彼女本人には伝えずに、こういうことをやったら彼女のはどうやって反応しますかね?っていう風に、彼女の反応を楽しみにしていたところがありました。特に、エンドロールの後のところの僕がスイカを食べるシーン。そこは彼女に全く打ち合わせをしてなかったとこなので、すごく可愛い反応が出ましたよ。その役柄の作り方っていうのもすごく面白いものだなって思いました。

この映画に出演したことで、あらたな考え方やご自身の中でこれまでにない発見(こんな感情が溢れたとか)があったら、聞かせて下さい。
0105lin2 「そうですね。この映画は田舎に暮らす市井の人々の話なわけで、サリーも弟も、本当にどこにでもいるような小さな人物です。僕がとてもこの映画の中で印象に残ったシーンというのが、サリーとその弟である僕が口喧嘩をするシーンなんですけれども、弟にとっては姉のサリーが騙されるかもしれないという心配から色々と姉に言いますが、このことについて僕はとても弟の立場が理解できました。でもサリーにとっては、自分が幸せを求めようとしているのに、弟にあれこれ言われる。まぁこれは普通の生活の中でもよくあることで、自分が他の人から色眼鏡で見られることは絶対我慢できないということがこの映画でも語られ、映画の中で強く言われてることだと思います。一人一人が求める幸せというのはそれぞれ、みんな違うということ。それは僕も感じたことですが、こういう小さな農村の中で起こったこの物語は、おそらく世界の色々な国で共感してもらえるんのではないかと思いました」

この映画はマッチングアプリを使ったロマンス詐欺ということがモチーフになってるんですけども。興味半分でもマッチングアプリをちょっとやってみたりすることがあると思います。あなたの周りで何か話題になってるとか、社会問題にもなってるロマンス詐欺について何かお考えがあれば教えてください。
「結構多くの知り合いや友人たちが、マッチングアプリをやってみたという人はいます。でもこういう詐欺の被害にあったり、お金をだまし取られたっというような話はあまり聞かないですね。自分の顔写真を出されたというのはありますけれど。まあ、気楽に友達を見つける方法のひとつではないでしょうか。気軽に知り合いになることが必ずしも恋愛に直結するわけではないし、こういうアプリは一概に悪いとは言えないのではないかと思います」

では最後にお聞きします。あなたは俳優としてキャリアを積み、今や台湾映画界の中核を担う存在ですが、張震(チャン・チェン)や舒淇(スー・チー)のようにこの先監督としての未来図は考えていらっしゃいますか?
「ありがとうございます。まず僕にとって今は一つ一つの作品の役をきっちりと演じていくっていうこと、それが僕にとってのチャレンジです。舒淇監督の作品、あるいは張震のプロデュース作品など素晴らしい作品です。僕は彼らに比べればまだかなり後輩ですし、その先のことはまだ具体的には考えていません。でも、できればそちらの方向に行く可能性もあるかとは思います」

デビュー時からインタビューを重ねる度にその成長ぶりを見せてくれる林柏宏、やはりクリエイターとしてのチャレンジも視野にあることがわかり、彼の今後がますます楽しみになりました。

『サリー(原題:莎莉)』
監督:練建宏(リエン・ジエンホン)
出演:劉品言(エスター・リウ)、林柏宏(リン・ボーホン)、李英宏(リー・インホン)、楊麗音(ヤン・リーイン)、湯詠絮(タン・ヨンシュイ)
2023年|台湾・フランス|105分|中国語・英語・フランス語|原題:莎莉|
協力:大阪アジアン映画祭|後援:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター
© 2023 ENLA Media Limited, The Graduate Co., Ltd., Bole Film Co., Ltd. and Lien Chien Hung All Rights Reserved
配給・宣伝:アニモプロデュース
公式サイト:https://animoproduce.co.jp/salli/

<ストーリー>
姪のシンルー(タン・ヨンシュイ)からマッチングアプリを勧められ、「サリー、28歳」と年齢を詐称して始めてみたフイジュンは、パリで画廊を経営する男性マーティンと出会って求愛され、「いつか絶対パリへ行く」と心に誓う。しかし弟ウェイホン(リン・ボーホン)や周囲からだまされていると忠告され、フイジュンは不安を募らせ、苛立つ。続いて「可能性は、1%でも。」というコピーと「答えは自分で見つけてみないと」という台詞とともに、パリにやって来たフイジュンの姿が。一歩踏み出したフイジュンがパリで見つけたものとは⋯?

2026年1月16日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

※本作に関するこれまでの記事

2024/03/25
Podcast 大阪アジアン映画祭 台湾映画『サリー』の練建宏(リエン・ジエンホン)監督アフタートーク
http://www.asianparadise.net/2024/03/post-06d18f.html

2025/11/28
台湾映画『サリー』1月16日公開決定!
http://www.asianparadise.net/2025/11/post-e6552f.html

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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