香港

2025/07/06

2025台北電影獎授賞式 授賞理由とスピーチなど!

70706all 月5日に台北の中山堂で行われた2025年第27回台北電影奨授賞式、既報の通り最高賞の百万元大賞は台湾のハンセン病療養所「楽生療養院」を描いたドキュメンタリーの『大風之島』が受賞しました。
またもや、ということで毎回お伝えしているように、台北電影奨の百万元大賞はドキュメンタリーが獲得することが多く、2021年からこれで5年連続でドキュメンタリーが選ばれたことになります。
2010年から2014年までの5年連続とタイ記録になりました。

トロフィー獲得数は、『大風之島』が百万元大賞とドキュメンタリー映画賞、編集賞、『イエンとアイリー(原題:小雁與吳愛麗)』が長編劇映画賞、脚本賞、助演女優賞、『白衣蒼狗』が主演男優賞、撮影賞、サウンドデザイン賞、『鬼才の道(原題:鬼才之道)』が監督賞、視覚効果賞、技術賞の3部門ずつ。続いて『默視錄』が助演男優賞と音楽賞の2部門という結果でした。

プレスセンターで必ず質問が出る恒例の映画祭総監李亞梅(リー・ヤーメイ)が明かす激戦報告では、主演男優賞はWanlop RUNGKUMJADが接戦の末に藍葦華(ラン・ウエイホア)を破ったそうです。
主演女優賞の高伊玲(カオ・イーリン)は、からくも張艾嘉(シルヴィア・チャン)を退けたということ。
助演男優賞はベテランの李康生(リー・カンシェン)が勝ち取りましたが、『我が家のこと(原題:我家的事)』の曾敬驊(ツェン・ジンホア)が最後まで検討したそうです。

今年の審査委員長をつとめた香港の張之亮(ジェイコブ・チャン)監督は、「台湾の作品と俳優たちは非常に大胆で、物語を伝えるために様々な手法に挑戦する意欲に満ちています。過去と比べると、特に『狂ったリビドー(原題:破浪男女)』での試みは大きな進歩を遂げており、香港でもなかなかない珍しいチャレンジです。台湾の俳優たちにはあまり馴染みがないので、顔ぶれも新鮮です。外国人である私にとって、彼らの演技はとても心地よく感じます」と語りました。

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2025/06/23

2025台北電影節プレゼンター第2弾発表!

0502tff1 6月20日から2025台北電影節が開催中ですが、授賞式のプレゼンター第2弾が発表になりました。
最高賞の「100万元大賞」は、香港の張之亮(ジェイコブ・チャン)監督と俳優の楊采妮(チャーリー・ヤン)、そして柯佳嬿(アリス・クー)、蔡健雅(ターニャ・チュア)、柯震東(クー・チェンドン)、洪瑜鴻(春風=ホン・チュンフォン)、王柏傑(ワン・ボージエ)、傅孟柏(フー・モンボー)、林辰唏(リン・チェンシー)、程予希(ルゥルゥ・チェン)、劉奕兒(ユージェニー・リウ)、蔡凡熙(ケント・ツァイ)、李李仁(リー・リーレン)、鍾欣凌(ジョン・シンリン)、馬志翔(マー・ジーシアン)、夏于喬(シア・ユーチャオ=キミ・シア)がその任に当たります。
また、于子育(ユー・ズーユー)がパフォーマンスゲストとして名作の主題歌を歌う予定です。

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2025/05/09

香港映画『年少日記』6月6日より公開!

0509nensho1 2023年に東京国際映画祭で上映された香港映画『年少日記』が、6月6日より新宿武蔵野館ほか全国公開になります。
本作は卓亦謙(ニック・チェク)監督のデビュー作で、苛烈な競争社会において子供が受けるプレッシャーや家庭内暴力など社会問題に切り込み、痛切な苦しみを繊細に描いた衝撃作です。
監督自身の経験を投影して書き上げたオリジナルストーリーは巧みな脚本と構成が高く評価され、2024年の香港電影金像獎で新人監督賞、2023年の台湾金馬奨でも新人監督賞と観客賞を受賞しました。


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2025/04/28

第43回香港電影金像獎『九龍城寨之圍城(トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)』が作品賞はじめ9部門獲得で圧勝!

0428hkfa1 4月27日に香港文化中心で行われた第43回香港電影金像獎の発表授賞式で、『九龍城寨之圍城(トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)』が作品賞はじめ9部門獲得で圧勝しました。但し、俳優の賞はありません。
ノミネート数は『破。地獄(ラスト・ダンス)』の方が多かったのですが、受賞は主演女優賞の衛詩雅(ミシェール・ワイ)はじめ5部門、『爸爸(お父さん)』は劉青雲(ラウ・チンワン)の主演男優賞、谷祖琳(ジョー・コク)の助演女優賞、新人賞の蘇文濤(ディラン・ソウ)と、俳優賞ばかりの3部門。
そして、新進監督賞が『香港四徑大步走』ということで、トロフィーを獲得したのはこの4作品だけという結果になりました。

その他、アクション奨を『九龍城寨之圍城(トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)』の谷垣健治が受賞し、プレゼンターが倉田保昭、アジア中国語映画賞の『老狐狸(オールド・フォックス 11歳の選択)』でプロデューサーの小坂史子がトロフィーを受け取り、日本人が3人も金像獎の舞台に上がったのは珍しいことではないでしょうか。

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大勝した『九龍城寨之圍城(トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)』は日本でも絶讃公開中なので、また盛り上がるでしょう。

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2025/04/24

香港のドキュメンタリー映画『灰となっても』6月に公開!

0424rather 香港出身の劉健倫(アラン・ラウ)監督が2019年に起きた香港の民主化を要求する大規模な抗議活動を命懸けで撮影し、1000時間以上に及ぶ映像から身を削るように制作したドキュメンタリー映画『灰となっても』が6月28日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開が決定しました。
第28回釜山国際映画祭で上映され多くの観客の注目を集めた本作は、これまで日本で公開された映画『乱世備忘 僕らの雨傘運動』、『Blue Island 憂鬱之島』、『時代革命』に続き、あの時の香港、世界の混乱、後退してゆく民主主義、私たちが生きている時代を映し出しています。

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2025/03/31

大阪アジアン映画祭 香港映画『ラスト・ソング・フォー・ユー(原題:久別重逢)』梁禮彥(ジル・リョン)監督インタビューとQ&A

0331jil4 大阪アジアン映画祭で上映された香港映画『ラスト・ソング・フォー・ユー(原題:久別重逢)』の上映後に、梁禮彥(ジル・リョン)監督によるQ&Aが行われ、その翌日インタビュー(Podcastリンクは下部)をしました。
この作品は香港の長州を舞台にしたラブストーリーで、『イップ・マン 継承(原題:葉問3)』『イップ・マン 完結(原題:葉問4)』『SPL 狼よ静かに死ね(原題:殺破狼)』ほかアクション映画の脚本家として活躍してきた梁禮彥の監督デビュー作です。
鄭伊健(イーキン・チェン)とMIRRORの陳卓賢(イアン・チャン)が共演していることでも話題になり、日本の高知県でも撮影が行われました。

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2025/03/23

第20回大阪アジアン映画祭 グランプリは中国映画『バウンド・イン・ヘブン』!

0323winner 2025年3月23日(日)に第20回大阪アジアン映画祭が閉幕し、『カンフーハッスル』脚本家フオ・シンの初監督作品で、婚約者にフェイ・ウォンのコンサートチケットを取り上げられた女性が奇妙な男に出会う壮絶な純愛ストーリー『バウンド・イン・ヘブン』(中国)がグランプリ(最優秀作品賞)に輝きました。
来るべき才能賞は韓国映画『朝の海、カモメは』のパク・イウン監督、スペシャル・メンションに香港映画『私たちの話し方』、最優秀俳優賞は『サイレント・シティ・ドライバー』のトゥブシンバヤル・アマルトゥブシンが選ばれました。

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2025/03/19

第20回大阪アジアン映画祭スペシャル・オープニングセレモニー開催!

0319oaff_20250319225701 3月14日に開幕した第20回大阪アジアン映画祭のメイン会場ABCホールの上映初日となる3月19日(火)に、ゲストを迎えてのスペシャル・オープニングセレモニーが開催されました。
スペシャル・オープニング作品、カザフスタンのミュージカル映画『愛の兵士』の日本初上映に先立ち行われたセレモニーでは、上映作品67作品中、フランス、ポルトガル、ドイツ、香港、日本、カザフスタン、韓国、フィリピン、台湾、タイの18作品から、監督、出演者など30名を超えるゲストが登壇しました。

セレモニーでは、まず大阪映像文化振興事業実行委員会委員長の上倉庸敬より「映画は画面に映っていないものを映し出し、そこに響いていない言葉に耳を傾けさせるものです。映画の作り手と観客の皆様と共に過ごしてきた20年は、私たち映画祭にとって至福の時間でした」と、20回を迎えることができたことへの感謝が述べられました。
続いて、大阪市長挨拶が代読され、「大阪市では、市民の皆様に多彩なアジア映画の魅力をお楽しみいただき、映像文化の裾野を広げていけるよう、また、大阪を映像文化の創造と発信、交流と人材育成の拠点とすることをめざして「大阪アジアン映画祭」を開催しており、今回、本映画祭は節目となる第20回を迎えることができました。」と、「大阪発。日本全国、そしてアジアへ!」をテーマに20回を迎えることができたことへの喜びが伝えられました。

ゲストを代表して、スペシャル・オープニング作品『愛の兵士』のファルハット・シャリポフ監督が「コンニチワ!オオサカです!」と日本語で挨拶すると、会場はあたたかい笑いに包まれました。映画祭が20回を迎えることへのお祝いの言葉に続いて、「一緒に心から映画祭を楽しみましょう」と会場に語りかけると、会場は大きな拍手に包まれ、第20回大阪アジアン映画祭のメイン会場となるABCホールでの上映が開幕しました。

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2025/03/17

「第18回アジア・フィルム・アワード」受賞結果︕

0317allwe 3月16日に香港の戯曲センター(Xiqu Centre)で行われた「第18回アジア・フィルム・アワード」の受賞結果が発表されました。
最優秀作品賞は『All We Imagine as Light』(インド、フランス、オランダ、ルクセンブルク)、最優秀監督賞に昨年の東京国際映画祭(TIFF)で監督賞含む3冠に輝いた『敵』の吉田大八監督、最優秀主演男優賞は『お父さん』(香港)の劉青雲(ラウ・チンワン)、最優秀主演女優賞は『サントーシュ』(インド、イギリス、フランス、ドイツ)のシャーハーナー・ゴースワーミーが受賞しました。

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2025/03/10

第20回大阪アジアン映画祭 暉峻創三プログラミング・ディレクター インタビュー!

0310teruoka1 第20回大阪アジアン映画祭は、3月14日から開幕を前にゲスト情報も発表になり、チケット発売開始で皆さん期待が膨らんでいることでしょう。
今回は18の国と地域から選ばれた67作品が上映されますが、上映作品やそれを選ぶプログラミング・ディレクターの視点やこだわりが、それぞれの映画祭の個性に繋がっていると思います。
そこで、アジアンパラダイスではこのラインナップがどのように選ばれたのか、暉峻創三プログラミング・ディレクターにお聞きしました。

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