映画賞

2023/10/03

第六十回金馬獎ノミネート発表!主演男優賞候補は全員台湾!

1003jinma_20231003220501 10月3日、第六十回金馬獎のノミネート発表会見が行われ、552作のエントリーから各部門の候補作が発表されました。
前半は金馬執行長の聞天祥(イエン・テンシャン)が、後半は俳優の黃秋生(アンソニー・ウォン)がノミネート作品を発表しました。

今年の最多ノミネートは、金馬影展オープニング作品『五月雪』で9部門、続いて日本でも先日公開された『關於我和鬼變成家人的那件事(僕と幽霊が家族になった件)』と台北電影奨で大勝利した『疫起』が8部門となっています。

個人賞では主演男優賞に『關於我和鬼變成家人的那件事(僕と幽霊が家族になった件)』の許光漢(グレッグ・ハン)と林柏宏(リン・ボーホン)、『富都青年』の吳慷仁(ウー・カンレン)、台北電影奨で主演男優賞を獲得した『疫起』王柏傑(ワン・ボージエ)、そして久々に台湾で活動を再開した阮經天(イーサン・ルアン)と台湾勢が並び、時代の流れを感じさせる顔ぶれになりました。

一方主演女優賞は、台湾の12才で金馬奨最年少ノミネート者の林品彤(オードリー・リン)と66才の陸小芬(ルー・シャオフェン)、香港の余香凝(ジェニファー・ユー)と鍾雪瑩(チュン・セッイン)、中国の胡伶(フー・リン)と、年齢も国籍も様々。

そして、東京国際映画祭で見られるノミネート作品が多いのもうれしいところです。

第六十回金馬獎は、11月25日に台北の國父記念館での授賞式で発表されます。

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2023/09/10

台湾映画『愛是一把槍』ベネチア国際映画祭でルイジ・デ・ラウレンティス賞(新人監督賞)!

0910love1 第80回ベネチア国際映画祭の受賞結果が発表され、濱口竜介監督の『悪は存在しない』が銀獅子賞(審査員大賞)を受賞、2021年にベルリンとカンヌで賞を獲得して日本の監督では黒澤明監督以来、2人目の“グランドスラム”を成し遂げたという吉報が届きました。
そのベネチア国際映画祭でルイジ・デ・ラウレンティス賞(新人監督賞)を受賞したのが、台湾映画『愛是一把槍』の李鴻其(リー・ホンチー)。
台湾映画では、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督の『ピクニック(原題:郊遊)』が2013年に銀獅子賞(審査員大賞)受賞以来の快挙です。

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2023/07/09

2023台北電影獎授賞式と受賞者、プレゼンターエピソード!

0709all 7月8日に台北の中山堂で行われた2023年第25回台北電影奨授賞式は、既報の通り最高賞の百万元大賞はドキュメンタリーの『鑽石水族世界』が受賞しました。
昨日の速報でもお伝えしましたが、台北電影奨の百万元大賞はドキュメンタリーが獲得することが多く、一昨年、昨年に続き3年連続でドキュメンタリーが選ばれています。
トロフィーの数で言うと、『疫起』が監督賞、主演男優賞、技術賞、視覺效果賞、美術デザイン賞の5部門受賞で勝者となりました。
これに続き長編劇映画賞、編集賞、新人賞の3部門で受賞したのが『哈勇家』です。この映画は『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット』のタイトルで、8月26日に台湾文化センターとアジアンパラダイス共催の上映会でご覧いただけますので、ご期待下さい。

台北電影奨は、授賞式終了後にプレスルームでの会見で総評が明らかにされるのが定例となっており、今年は總監の李亞梅(リー・ヤーメイ)と審査委員長の陳玉勳(チェン・ユーシュン)監督が記者からの質問にも答えました。
決定までの経緯について、今年は短編賞、音楽賞、編集賞が最も討論の時間が長かったそうで、「一票が命運を分けた」ということです。
その一票差は、短編賞の『大日子』VS『推特事』、助演男優賞の傅孟柏(フー・モンボー)VS陳為民(チェン・ウェイミン)。

また、主演男優賞は『疫起』の王柏傑(ワン・ボージエ)がPK戦で13票獲得し、『一家子兒咕咕叫』のベテラン游安順(ヨウ・アンシュン)を退けました。

編集賞は3回投票の末『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット(原題:哈勇家/GAGA)』に決定。

異例だったのは新人賞で、『哈勇家』の洪金輝の名前が呼ばれた後、プレゼンターの「もう一人います」の声に騒然とし、続いて『青春並不溫柔』の葉曉霏(イエ・シャオフェイ)の名が発表されました。
この2人の演技と将来性はは甲乙付けがたく、得票数も同じの為同時受賞にしたそうです。
ちなみに、47才の洪金輝は台北電影奨史上最高齢での新人賞受賞者になりました。

逆に圧勝だったのが、主演女優賞の陸小芬(ルー・シャオフェン)ということです。

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2023/07/08

【速報】2023台北電影奨 今年も百万元大賞はドキュメンタリー『鑽石水族世界』!

0708tff 2023台北電影奨の発表授賞式が7月8日に大鶴(ダーハー)こと林鶴軒(リン・ハーシュアン)と百白(バイバイ)の司会で行われ、最高賞である百万元大賞はドキュメンタリー映画『鑽石水族世界』が獲得しました。
長編劇映画賞は『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット(原題:哈勇家/GAGA)』、監督賞は最多13部門の『疫起』の林君陽(リン・ジュンヤン)、主演男優賞も『疫起』の王柏傑(ワン・ボージエ)、主演女優賞には『本日公休』の陸小芬(ルー・シャオフェン)が選ばれました。
助演男優賞は『本日公休』の傅孟柏(フー・モンボー)、助演女優賞が『一家子兒咕咕叫』の楊麗音(ヤン・リーイン)。
新人賞は、『哈勇家『ハヨン一家〜タイヤル族のスピリット(原題:哈勇家/GAGA)』の洪金輝(ホン・ジンホイ)と『青春並不溫柔』の葉曉霏(イエ・シャオフェイ)の2人が受賞という結果でした。

台北電影奨の百万元大賞はドキュメンタリー映画が獲得することが多いのですが、今年もその例に漏れず『鑽石水族世界』に輝きました。

また、主演男優賞の王柏傑(ワン・ボージエ)は2008年に『九月に降る風(原題:九降風)による新人賞以来の受賞で、とてもうれしそうでした。

受賞者のコメントや授賞理由など詳細は、明日記事を掲載します。

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台北電影節ノミネートパーティでベストマーケティング賞はじめアウト・オブ・コンペの各賞発表!

0708 2023年の台北電影奨の発表授賞式を前に、恒例の台北電影節ノミネートパーティでマーケティング奨とアウテ・オブ・コンペの各賞が発表されました。
ノミネートパーティでは、主席の易智言(イー・ツーイエン)監督から王柏傑(ワン・ボージエ)、林柏宏(リン・ボーホン)、陸小芬(ルー・シャオフェン)、張鈞甯(チャン・チュンニン)はじめ参加した各ノミネート者にノミネート証書が渡されました。
(写真は最多13部門ノミネートの『疫起』チーム)

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2023/06/28

2023台北電影節 國際新導演競賽(新人監督コンペティション)、グランプリは『Under the Fig Trees』!

0628tff 2023台北電影節の國際新導演競賽(新人監督コンペティション)の発表授賞式が6月27日に行われ、グランプリにErige SEHIRIの『Under the Fig Trees』(チュニジア フランス スイス ドイツ カタール)が選ばれました。
今回は女優の陳湘琪(チェン・シアンチー)、韓国のプロデューサー オ・ジョンワン、香港の趙良駿(サムソン・チウ)監督、台湾の樓一安(ロー・イーアン)監督、ベルリン国際映画祭のプログラムディレクターMark Peransonにより激烈な討論が繰り返され、以下のような授賞結果になりました。

👑グランプリ
『Under the Fig Trees』(チュニジア フランス スイス ドイツ カタール)
監督:Erige SEHIRI

👑審査員特別奨励賞
『The Burdened』(イエメン ベルギー モロッコ)
監督:Amr Gamal

👑台湾映画評論協会推薦賞
『こちらあみ子』(日本)
監督:森井勇佑

👑観客賞
『默殺』(台湾 マレーシア シンガポール)
監督:柯汶利(ハー・ウェンリー)

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2023/06/25

林青霞(ブリジット・リン)、陳坤厚(チェン・クンホン)が第60回金馬獎の終身成就獎!

0625jinma 今年で第60回を迎える金馬奨で、俳優の林青霞(ブリジット・リン)と監督とカメラマンの陳坤厚(チェン・クンホン)が終身成就獎の栄誉が与えられることになりました。
11月25日に刻吹き民間で行われる授賞式で、トロフィーが渡されます。

林青霞は1973年の『窗外』でスクリーンデビュー、『我是一片雲』、『月朦朧鳥朦朧』、『雁兒在林梢』、『一顆紅豆』など愛情文芸作品全盛時代のトップ女優として活躍。
1990年代には香港で武侠映画『スウォーズマン(原題:女神伝説の章笑傲江湖之東方不敗)』や『白髮魔女傳』『恋する惑星(原題:重慶森林)』ほかに出演しました。

陳坤厚はカメラマンとして多くの作品に携わり、『小城故事』、『坊やの人形(原題:兒子的大玩偶)』、『冬冬の夏休み(原題:冬冬的假期)』などの侯孝賢(ホウ・シャオシェン)作品も多数。監督として『少年(原題:小畢的故事)』ほか台湾映画に大きく貢献してきました。

★リンクは有り難いのですが、写真や記事の転載は固くお断りします。

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2023/05/14

台湾の短編映画アワード第45回金穗獎 グランプリはアニメーションの『熱帶複眼』!

0514gha1 短編映画の製作が活発な台湾で、政府の文化部(日本の文科省にあたる省庁)主催のアワード第45回金穗獎の発表授賞式が5月13日に行われ、グランプリにアニメーションの『熱帶複眼』が選ばれました。
セレモニーの司会は王渝萱(ワン・ペイシュアン)と王渝屏(ワン・ペイビン)がつとめ、ゲストには審査委員長の王小棣(ワン・シャオディ)監督、沈可尚(シェン・カーシャン)監督、俳優の謝盈萱(シエ・インシュアン)、陳竹昇(チェン・ジューシェン)、朱軒洋(ベラント・チュウ)、莊凱勛(カイザー・ジュアン)、孫可芳(ソン・カーファン)、林哲熹(リン・ジャーシー)ほかが参加しました。

今年の金穗獎は331作がエントリー、62作がノミネートされ、熾烈な闘いの結果28の受賞作の中、大阪アジアン映画祭で上映された『できちゃった?!(原題:有了?!)』潘客印(パン・カーイン)監督が脚本賞を獲得しています。

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2023/05/11

2023台北電影節國際新導演競賽(新人監督コンペティション)ノミネート発表!

0511tff 2023台北電影節の國際新導演競賽(新人監督コンペティション)のノミネートが発表され、台湾からは柯汶利(ハー・ウェンリー)監督の『默殺』と、大阪アジアン映画祭でも上映された柯震東(クー・チェンドン)監督の『黒の教育(原題:黑的教育)』が入選しました。

柯汶利監督第一作の『默殺』は、女子高生の失踪事件を発端に、現代人の恐怖と無関心を浮き彫りにするとともに、いじめに遭う特別支援教育の生徒の視点から恵まれない人々の窮状を描いています。
繊細かつ大胆な撮影技術が高く評価されています。
監督は「この映画に協力してくれたすべてのパートナーに感謝します。そして、私たちの映画が観られるようにこの機会をくれた台北映画祭に感謝します」と述べました。

柯震東監督の『黒の教育(原題:黑的教育)』は、3人の男子高校生が、卒業式の夜に互いの秘密を告白し合ったことからとんでもない展開になり、人間の本性の闇を暴き、善人と悪人の定義を探求する様子を描いています。
監督は「世界中の新人監督が集まるこの賞にノミネートされたことをたいへん光栄に思います。スタッフの皆さん、俳優の皆さん、授賞式でお会いしましょう!」と叫んでいました。

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2023/04/18

今年の金像獎は最高だったなぁ・・・映画ライター杉山亮一さんの2023香港電影金像奨レポート!

【アジアンパラダイスの前説】
4年ぶりに金像奨取材に行った友人で映画ライターの杉山さんが、アジアンパラダイスに寄稿して下さいました。
そして、レッドカーペットや授賞式の写真もたくさん提供していただいたので、その貴重な写真とともに現地の様子をお楽しみください。

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【本文】
0418hkgfa 僕は1990年代から、ずーっと毎年、香港電影金像獎の授賞式に通っています。2019年までに一度だけ金像獎に行けなかったのはSARS真っ只中の2003年(四大天王がレスリーの『當年情』を感動的に合唱したあの年です)だったのですが、その後、コロナ禍の影響で授賞式そのものがなくなったり、入国時の待機期間がボトルネックになったりして、4年間も金像獎とは縁がなくなってしまいました。
そんな状況下、満を持しての(?)今年の金像獎は、個人的な思いもさることながら、香港映画の新しいステージを予見させるような、味わい深いイベントだったと思います。

近年の香港映画は、(主としてベテラン監督たちが)中国大陸に軸足を移して制作する映画と、(主として若手監督たちが)香港で香港人観客のために制作するインディーズ映画に二極分化する傾向がみられたのですが、時が経つにつれ、中国マネーが入りつつも限りなく香港映画っぽい作品や、大物スターが無償参加することでメジャー感が付加されたインディーズ映画が登場し始め、現在ではバラエティに富んだ作品群が市場を形成しています。それはかつての、東洋のハリウッドと称された時代とは異なるものではあるのですが、映画大国香港は、確実にその輝きを取り戻してきています。
今年の金像獎のノミネートと授賞結果には、そんな香港の「いま」が色濃く反映されているような気がしてなりません。

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